ラテアート

 

それはエスプレッソの楽しみ方

クレマとスチームドミルクの織り成す

味わいの世界

 

基本のレシピに

さらなる楽しみを見つけた

遊びのフィールド 

どんなゆめを描きますか

 

 

 

ご家庭でラテアートを楽しむためのポイントをまとめてみました

以下のことに注意すれば、どなたでもロゼッタが必ず描けます

 

 

 

 

コーヒー豆について

 

ご家庭でエスプレッソを淹れようとすると

まずはエスプレッソ用の豆を

と考えられるかもしれませんが

エスプレッソ用の豆というのは基本的にはありません

アイスコーヒー用の豆がないのと同じことです

 

疑問に思われる方もおられるかもしれませんが

エスプレッソの味わいを引き出すために

お店(企業)が最適と思われるように調整している豆を

エスプレッソ用の、アイスコーヒー用の豆

として販売しているだけのことです

 

最適と思われる調整とはおいしく抽出できるように

選び出した豆の銘柄やブレンド、焙煎程度を吟味することをいいますが

これは、販売しているお店(企業)がそう考えているだけにすぎません

 

エスプレッソの味わいとは

それぞれの個々人の好みです

決して決まりはありません

苦くなくてはいけないこともまったくありません

イタリア人の好みと違うのは当然のことです

 

ですから、お客様がおいしいと思うコーヒー豆を

お使いになってみてください

 

ただ、ドリップで飲みなれたコーヒー豆をエスプレッソで味わうと

酸味がきついとか苦味がきついなど

今までとちょっと違った味覚を感じるかもしれません

その場合はいつもの豆と違ったもので試されるとよいと思います

 

もちろん、いろんなお店で販売されている

エスプレッソ用のコーヒー豆を試されるのもいいかもしれません

そうしてお好みのエスプレッソの味を探されるといいと思います

 

もちろん、ドリップの場合と同じようにコーヒー豆は

 

高品質な生産品

適切な焙煎

新鮮であること

 

はいうまでもありません

鮮度のいい豆ほどクレマが多いです

 

一般に、同じ鮮度の豆という条件で

深入りの豆はクレマが少なく

浅煎りはクレマが多いようです

 

ただ、豆の鮮度によってホルダーへの

つめ方を変える必要があります

タンピングの項を参照してください

 

 

グラインダーについて

エスプレッソを味わうのにエスプレッソマシンを購入されて

グラインダーを用意されていない方を多くみかけます

 

ドリップ用の普通のコーヒーグラインダー(ミル)は

一番細かく挽ける目盛に調整しても

エスプレッソ用には粒子が粗すぎる場合があります

また細かく挽けたとしても、カッター(歯)の種類により

微粉が多量に発生する場合もあります

微分が多すぎるとフィルターが目詰りをおこして

抽出が不十分になります

 

エスプレッソマシンにはエスプレッソ用のグラインダーが

必需品ですのでぜひ用意してください

一番細かく挽ける目盛で抽出すると

細かすぎて抽出できないくらい

能力に余裕のあるものがいいと思います

 

専用のグラインダーをお持ちになっていない場合は

専用ポッドを使用されたほうが、よほどいいエスプレッソが抽出できます

しかし、十分なクレマ、お好みの味わいは多少犠牲になります

お店で挽いてもらった場合も同じことです

 

気をつけるべきは、お店でエスプレッソ用に挽いてもらう場合は

そのお店がエスプレッソ用のグラインダーを使用しているか確認してください

多くの場合、ドリップ用の業務用グラインダーの

一番細かい目盛で挽いている場合があります

エスプレッソ本来の味わいが抽出されません

 

またブレードタイプの電動ミルは一見細かく挽けますが

微分が多く、粗さの調整が毎回違いますので

使用できないと考えらたほうがよいと思います

 

 

 

 

エスプレッソマシンについて

 

ここでいうエスプレッソマシンとは

ビアレッティーなどの直火のものではありません

また、ボタンひとつでグラインドから抽出まで行う

フルオートタイプでもありません

ポルタフィルターにコーヒーをつめてセットし

ポンプ圧力によって抽出するマシンです

マニュアルとかセミオートと呼ばれます

 

家庭用は一万円程度から十万円超えまで多様なマシンがありますが

基本設計がしっかりしているマシンであれば

値段に比例してクレマやミルクの泡立ちが目に見えて

よくなるということはほとんどないように感じます

 

ただ、中には基本設計のいい加減なマシンもありますので

購入にあたっては信頼のおけるお店に相談されることをお勧めします

 

あくまで家庭用ですから

業務用のそれと比較することは無理ですが

しかし一万円程度のマシンでも

しっかりとコツをつかめばある程度のエスプレッソが抽出できて

ラテアートは描けることを

知っておいてください

あきらめないで是非使い続けていただきたいと思います

そして

ある程度知識や扱いに慣れられたときに

もし機会があれば業務用のマシンを使ってみてください

各メーカーのテストキッチンなどでは

マシンを試してみることができます

(良心的なメーカーならば購入云々は言わないはずです)

意外と驚くほど簡単にエスプレッソや

ラテアートができることに気がつかれると思います

コツをつかむのにも有効です

 

かえって家庭用のマシンのほうが能力が低いので

取り扱いが難しいと感じられると思います

 

男性の方ですと日曜大工

女性の方ですとミシンなど

腕が未熟なほどより専門の道具を使うとよいということは

ご存知のことと思いますが

それと同じことです

 

各種ラテアート講習会などに通うのも

お金と時間がある方はいいと思いますが

営利目的のものが多く、たかだか2時間、3時間の講習で

感覚をつかめるものかどうか

多少の発見はあるものの

感覚は自分でつかむものですから

そこをよく考えられて受講されるとよいと思います

 

手順

 

1.新鮮なコーヒー豆

 

これは必須条件です

どんなにすばらしいグラインド、抽出をしても

鮮度が悪い場合クレマが出ないことが多く

それで迷われている方が多くみうけられます

通販でコーヒー豆を購入される場合は(特に輸入物)ご注意ください

 

2.グラインド

 

多くの方が勘違いされるのは

挽いた粉の見た目の粗さを追い求めることです

 

最適な粗さというのは

最適なエスプレッソが抽出される粗さのことですから

使用するエスプレッソマシンによって変わってきます

 

ご存知のように本来エスプレッソは

9気圧で20秒~30秒ほどで30cc抽出が完了するもののことです

家庭用マシンには圧力計がないものが多いですので

味わいとクレマ(と時間)で判断します

お手持ちのエスプレッソマシンの能力が関係しますから

何度か試されて

味わい、クレマが一番よく抽出が完了するように

グラインダーの目盛を調整します

抽出時間の20秒~30秒というのは一応の目安です

 

グランダーのカッター(歯)は日に日に磨耗していきますから

微妙に粒度が変わっていきます

エスプレッソマシンも抽出能力は経年変化しますから

お店では、定期的に抽出の圧力や時間を計測して

グラインダーの調整をこまめにします

 

3.タンピング

 

ポルタフィルターにつめる粉の量は

多くの家庭用エスプレッソマシンは

2杯取り用のバスケットになっていますから

毎回無駄でも2杯取り分の粉をつめるのが基本です

1杯分の粉では抽出が不十分になります

毎回同じ条件で抽出しないと

味わいが一定しませんし

不満がある場合に

何を改善していくのかがいいかわからなくなります

 

エスプレッソ一杯にコーヒー豆を~グラムという

目安でマシンを扱うよりは

バスケットの大きさにもよりますが

タンプ後の粉の面がホルダーのセット面から4~5mmほど

下の位置がいいようです

 

エスプレッソ本来の定義からは外れるかもしれませんが

抽出の量で(味で)判断されればいいのいではないでしょうか

(ちなみにエスプレッソ一杯当たりの粉の目安は8~10gほど

ダブルのフィルターには18g程度といわれています。あくまで目安です)

 

グラインドしたコーヒーの粉を

ホルダーに山盛りに落として

軽く脇を手でたたいてなじませます

(あまりやる必要はありません)

少し高さがへりますから

手のひらで軽くやや山もりになでます

多すぎる場合は指で掃います

 

この加減をいつも一定にできるように

覚えてください

そうすれば少なくとも粉の量のパラメータは

一定になります

グラムを計ってホルダーに入れるのではありません

 

そしてタンピングします

自分で調理台の高さ(800mm)の適当な台にホルダーをのせて

上半身の重さをかるく乗せるくらいの感覚で

平らに押します

 

ホルダー脇にはみ出た粉はタンパーでホルダーをたたいて

落としてやります

 

きれいに平らになるようにタンパーを何度か軽く当ててやります

最後にツイストして粉がタンパーに付くのを

防ぐやり方もあります

タンピングの力加減は、何度か抽出を繰り返して

最適な加減をつかむしかありません

これも体でいつも一定のやり方を独自に

つかんでください

やはり味の変動に影響するパラメータがひとつ減ります

*注記追加:一般にタンピングの力は30lbf(13.6kgf)と言われています

ただし、タンパーの径が違えば

単位面積当たりの力が変わってきますから

一概に30lbfで押せばいいかというと、そういうことには

なりません

一般の業務用では58mm径が多いので

単位面積あたりに換算すると

1.13lbf/cm2 (0.51kgf/cm2)となります

必ずこの力で押さないとおいしいエスプレッソが入らないか

といえば全くそんなことはなくて

コーヒーのメッシュやマシンの抽出圧力など

さまざまな条件によって変わってきます

あるお店のバリスタはマニアのお客さんから、

「タンピングは何kgで、必ず~kgでやらないとおいしく入らないのでしょうか?」

と言う質問をされて困ってしまうことがあるそうです

本来、条件の数値ではなくて

抽出されたエスプレッソの味わいで判断すべきです

 

 

焼きたてのコーヒー豆ほど

分厚いクレマが生じるのはいうまでもありません

ただ、焼きたてのコーヒー豆の場合は

(焙煎後1日~2日までのもの)

若干量を減らしてタンピングを軽めにしないと

粉が膨らみすぎて

ホルダーから滴らない場合がありますので

ご注意ください

焙煎後一週間以上たったコーヒー豆の場合と

比較されれば一目瞭然です

 

このような意味で焼きたての豆を使わず

少しエージングしたほうがいい

というお店もあるようですが

少し本末転倒のような気がします

 

タンピングに使うタンパーも必需品です

あきらかにマシンに付属のものはお勧めできません

専用器具でお金に余裕のある方は、業務用をそろえればいいですが

あまりにも機能対価格比がみあわない製品ですから

(製作の材料費や工数を考えると一品ものの場合

販売されている価格はけして高いものではありませんが)

ご家庭USEであるわけですから

木製品でもアクリル板でも

ご自分で工夫されて、いいものを作られても

タンパーという道具にかぎり十分だと思います

当店も厚手のアクリル板のオリジナルです

*注記追加:エスプレッソにあるレベル以上の完成度を

求める方には、その限りではありません

フラット・コンベックス・コンケーブ形状

アルミ・SUSなどの材質

表面処理・・・等々、

オリジナルの追求が可能な製品ではあります

 

あまった予算はグラインダーやマシンのグレードアップに

いい豆のご購入に

使われればいいのではないでしょうか

 

 

4.抽出

 

まず、マシンを暖気運転します

空のフィルターをセットしてカップにお湯を抽出し

暖めます

ホルダーを取り外し、よく水気を拭いたら

粉をつめて

シャワーヘッドの水気を拭いた後、

きっちりとセットします

 

この後の動作は必ず間を空けず行ってください

ホルダーをセットしたまま時間がたつと

蒸気がホルダー内のコーヒーを膨らませ

十分な抽出ができなくなります

 

以下は、当店独自にデバイスタイルTH010の操作を述べたものです

本来の使い方では含まれないものもありますから

不具合の生じた場合にメーカー保障の対象外となることもありますので

ご承知の上で各自の責任においておこなっていただきますようお願いいたします

 

他機種をお使いの場合も基本的には同じことが言えますので

参考になると思います

 

当店の場合

ホルダー内のクレマエンハンサ

スチームノズルのカプチーノカバー

は取り外して使用しています

 

クレマエンハンサを取り外すと

ホルダー内のバスケットとノズル間にその厚み分の

間が開き、ノズルががたつきますから

ゴムのスペーサー(自作)を装着しています

クレマエンハンサの外周部分だけを切り取って

スペーサー代わりに装着してもいいと思います

*注記追加:いっそのことバスケットのみ装着して

すべて取り去ってもいいと思います

その場合ホルダーが規定の位置より

時計方向に回りますが

抽出には支障ありません

かえってクレマが壊れず

よりよいエスプレッソが抽出されます

一度、スチームノズルを開いて蒸気温が上がっていることを確認します

 

ノズルを閉じてスチームのスイッチを10秒ほどONにしてボイラーを

稼動させます

 

スチームのスイッチを切り、その後10秒ほどそのまま待ちます

この間にカップをセットしておきます

 

抽出スイッチを押して抽出を開始

フィルターからコーヒーが滴り落ちると同時に

スチームスイッチをONにします

適量抽出後、抽出スイッチOFF

(スチームスイッチはONのまま)

ホルダーははずさないでそのままです

 

5.ミルクフォーミング

 

ミルクピッチャーにミルクを用意します

(12ozのピッチャーに5~6分目ほど)

*注記追加:ミルクピッチャーの違いによる

ミルクスチーミング・ラテアート描写

への影響についての考察はこちらのページに示します

スチームが準備完了となったら

ノズルを開けて最初に飛び出るお湯をきり、また閉めます

 

ピッチャーのミルク液面にノズルの先端をかるく当てて

ノズルを開きます

チッ、チッという音がしてミルクが膨らんできます

それにあわせてピッチャーを下げ

常にノズルの先端が液面に軽く当たるようにします

ピッチャー内でミルクが8分目ほどまで膨らませます

 

徐々にスチームを強くするやり方、最初から全開のやり方

などミルクの泡立て方は個人差があります

やりやすい方法を見つけてください

 

ただ共通することはある程度泡立てたら、

後はノズルを少し沈めてミルクの暖めとスピンに徹すること

ピッチャーの口元ぎりぎりという感じでスピンさせます

ピッチャーの温度が手に熱くなったらノズルを閉めます

 

ピッチャーをはずしたら

ノズルを空ら吹きして、きれいに拭きます

 

スチームスイッチをOFFにして

ホルダーを緩めておきます(圧を抜く)

ミルクの泡立ては感覚がわかるまで

繰り返し行うしかありません

何度も試すと

泡立てすぎ、ゆるすぎなどという感覚が

見ただけでわかるように必ずなります

 

その指標となるのは

ピッチャーのそこをトンと打ち付けて大きな泡を消し

まわして泡をなじませるに従い

てかてかと光沢を帯びた状態にになってくることです

 

さらにピッチャー内のミルクの量を調整するために

別な容器に注ぐとき(下記)

もったりしすぎていないことを確認します

もったりしすぎているようだと泡立てすぎです

なれない方は泡立てすぎの場合が多いです

光沢があってしかも少しさらっとしているくらいがいいと思います

*注記追加:さらっとしているとひだの細かいロゼッタが描けますが

エスプレッソのクレマが少ない場合には

カップ内の対流によってミルクが流れてしまい

ゆがんだロゼッタになる確率が高くなります

そこを何とかテクニックでカバーできるようになれば最高かもしれません

この辺はクレマの多い業務用には及ばない部分かもしれません

*注記追加:泡立て後、もったりしすぎていると思われた場合、

表面の泡をスプーンなどを使って取り除くことも決して恥ずかしいことではありません。

目的は描きやすい泡をピッチャーに作ることですから

別に手段はえらばなくてもいいと思います。

なれてくればひとりでにちょうどいい泡の判断がつくようになります。

とりわけた泡はデザインカプチーノにするときに使えます。

スプーンと皿のようなものを

スチーミングの前に用意されておいても

いいと思います。

 

 

 

6.カップにロゼッタを描きます

 

家庭用マシンのスチームはどうしても業務用と比して弱いので

ピッチャーの上と下ではミルクの泡立ち状態が違います

上がもったり、下がさらさらです

したがってよくピッチャーを回して攪拌する必要があります

ただ攪拌は限界がありますので

一杯目に注ぐときは上のミルクを別の容器に1/3~半分ほど分けて

注ぐミルクの様子を確認してからカップに注いだほうがよいと思います

カップの液面とピッチャーの注ぎ口との距離も自由度が増します

ミルクの具合を見たら

カップにある程度上から勢いよく

ミルクを注ぎます

クレマを破るようにという感覚です

カップをやや傾けたほうが

ピッチャーの口が液面に近づけるので

やりやすいと思います

 

量がカップの中ほどより少し上になったら

ピッチャを向こう側に振って

カップの壁にミルクをトンと当てるような

動きをさせます

このほうが対流が起こってロゼッタの下の部分の広がり

楽に描けます

ただこれは絶対ではありません

(下のyoutubeのバリスタはこの動作はしていません)

*注記追加:この動作は経験上、

容量の大きなカップ(シアトル系の8オンスカップなど)に有効な動作で、

通常の5オンスほどのカップには適さないようです

*注記追加:ロゼッタの両側まで回りこんだミルクの流れや

チューーリップの外側に回りこんだ繊細なウイングなど

はやはり5オンスほどの容量の小さいカップでは難しいようです

描ききる前にいっぱいになる確率が高くなります

ネット上のラテアートの画像で

それらのひだの細かいロゼッタやチューリップは

ほとんど8オンス以上のカップに描かれています

(画像の手の大きさやピッチャーの大きさなどと比べるとわかると思います)

特に外国の映像の場合は8オンスどころか12、16、20オンスといった

”ドンブリ”のようなカップになみなみと描かれている場合がほとんどです

トライされる方は大きなカップを試してみてください

楽にひだの細かい模様が描けるはずです

(エスプレッソはダブル)

ただし描けたとしても飲むのに苦労するということを

ご承知の上でトライされるますように

実用的な5オンスほどのカップでそのような模様が描けるようにするには

さらにテクニックがいるようです

ちなみにラテアート選手権のカップの規定は内径90mm以下とあり

8オンスカップまで使用できるようです

 

それからピッチャーの注ぎ口を

液面に近づけて左右に振り始めます

近づける距離によって浮き上がり方に変化があり

模様の微妙な調整が可能になります

*注記追加:近づける距離は、

カップの大きさ、ミルクの量、ミルクの泡の状態

によって替わってきます

ミルクが滑らかなほど近づけ、もったりしているほど遠ざけて注ぎます

ただ

近づけすぎるとコントラストの良くないアートになる確立が高くなります

感覚としては

描ける範囲でできるだけ遠く

というのがきれいなアートの条件です

できるだけエスプレッソの抽出、ミルクのスチームの条件を同じにすることで

注ぎの変化を少なくするのが基本ですが

マシンが変わったときにも対応できるように

注ぎによっても

臨機応変に対処できるテクニックも

身につけるべき事項の一つです

 

ミルクが浮き上がって

左右の振りの軌跡がヌルヌルと見え出したら

そのまま少しずつ手前に引き

また左右の振りを細かくする感覚で

次第にすばやく手前に引いていきます

*注記追加:細かくするというのは

早くするという意味ではありません

ひだの多いロゼッタを描くためには

振る回数を増やす必要がありますから

当然早く振らないといけませんが

その制限の中で感覚的には

できるだけゆっくり落ち着いて振る

ということです

*注記追加:ロゼッタの周りに回り込んだウイングを

強調したい場合には手前に引く前にできるだけ

その場所で振り続けます

逆に押し込んでもいいくらいの感覚で持ちこたえます。

もちろんそれをやりすぎると小さいカップの場合は

引きのタイミングが遅れて

ロゼッタが完成しないうちに

カップからあふれてしまいますので注意してください

この感覚は先に述べたように

8オンスほどのカップで一度感覚をつかまれると

いいかもしれません

 

 

ここで左右の振りを細かくというのは

実際には振る感覚ではなく振りを止めるようにしていきます

振っていたのを止めても(実際は振っていますが)ピッチャーの中の

ミルクは惰性でしばらく左右に動くので

感覚的には引くだけの動作で

細かいひだが伸びていきます

*注記追加:シングルロゼッタの場合はこの感覚でできますが

ダブル、トリプルとロゼッタの数が増えれば

明らかに振らないと描けなくなります

特に三つ目以上のロゼッタを描くときには

表面にむりやり書き込むような感覚ですから

振りのテクニックはやはり必須です

 

最後に真ん中を戻して

芯を描ききります

*注記追加:~二つのロゼッタ~

描ききるロゼッタには大きく二種類

あるようです

気づかれておられる方もあると思います

スチームドミルクのあわ立ての度合い

と注ぎ方による違いです

詳しくはこちらのページに示します

 

一杯目を描ききったら、取り分けておいたミルクをピッチャーに戻し

2杯目を描きますが

二杯目は時間の経過により泡の分離が進み

ややフォームが重くなっていますから

一杯目よりも気をつける必要があります

アートをはじめてから10ヶ月目のショット

ロゼッタが描けると

シャドーのあるハートが簡単になります

 

実際に描けるようになると

ロゼッタよりはハートのほうが難しいことに気づくはずです

 

 

7.後片付け

 

ホルダーをはずしてノックし

コーヒーかすを捨てます

 

このときのコーヒーかす(ケーキと呼ばれます)の状態で

エスプレッソが最適に抽出されたかがわかります

ケーキがかたく締まって

バスケットの形のまま

一体となって排出されるべきです

 

シャワーヘッドをよく拭いて

コーヒーカスのこびりつきをなくします

抽出が最適ですと

ほとんどシャワーヘッド周りは汚れません

 

ホルダーをつけない状態で抽出スイッチを押し

詰りがないか

状態を確認しておきます

 

 

楽しさへの招待

 

だれでもで必ずできますので

どうぞあきらめずにマシンを使ってみてください

 

難しいと思われている方でも

やり続けてさえいれば

ある日突然に感覚がつかめる時が

必ずやってきます

 

専門店のバリスタは

一級のマシン、専門の道具を使って

お店の先輩にコツを聞いて

場合によっては手取り足取り

一日何十杯、何百杯と抽出するわけですから

できるのが当然です

 

それに引き換えご家庭では

専門の道具でなく

一日せいぜい2杯(抽出自体は1回)で

誰も教えてくれないわけですから

時間がかかるのはあたりまえなのです

できないのは器用さや能力の差でなく

経験値の差であることを

認識してください

 

それゆえに、

ご家庭のラテアートは日々新しい発見があって

「はまる」方が多いのです

 

ラテアートは誰でもできます。

どうぞ時間をかけるつもりで、気楽に

マシンを使い続けていただきたいと思います

 

ご参考までに

youtubeでわかりやすいバリスタの画像がありますので

ごらんになってみてください

業務用マシンならではのエスプレッソ、スチームドミルクで

余裕のショットですが

感覚的にはこの画像のようなイメージです

そして何よりも

おいしいエスプレッソ、ラテやカプチーノを味わえますように

せっかく購入されたマシンをどうぞお使い続けられますように

ゆめのかけらに出会うために

 

for the sense of wonder

西村屋珈琲店

 

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